去十二日之一札今十六辰刻披見候、仍二日ニ四郎人衆、其方人数箱根・足柄へ懸急候由、即日被帰候、又大藤八日番替尤ニ候、来ル廿二日ニ人数を被立、廿ニ昼替尤ニ候、従而足柄手蜜ニ付而、其方人衆不足之由無余儀候、小田原程近候間、小幡先を見候ても片時之内にも自小田原可懸立覚悟ニ候、敵味方調儀刻ゝ候間、諸卒小田原へ可打集候、恐々謹言、

八月十六日

氏政(花押)

(後欠)

→戦国遺文 後北条氏編「北条氏政書状」(志方起氏所蔵文書)

1571(元亀2)年に比定。

去る12日の書状、現在16日辰刻に拝見しました。2日に四郎の部隊とあなたの部隊が箱根・足柄へ急行したそうで、即日帰還されました。また、大藤が8日に当番交代したのは妥当です。来る22日に部隊を立たせ、20日昼に交代するのはもっともです。これにより足柄は手広になりあなたの部隊では不足となりますが、どうしようもないことです。小田原は程近いので、小幡先を見たとしても1時間で小田原から駆けつける覚悟です。敵味方の諜報戦が刻々と動いておりますので、諸部隊を小田原へ集結させるでしょう。

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