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北条氏邦、某に、夜間の拠点防衛を指示する

只今注進之処、自信濃、すつは共五百ほと参、其地可乗取之由、申来候、昼夜共ニ能ゝ可用心候、きてゝゝ江何時も、宵あかつき夜明番、肝要ニ候、何時も一番九ツと之間あけ出、此用心尤ニ候、只今さむ時ニ候間、月夜ならては、しのひはつく間敷候、何れも物主共、覚番ニ致、夜之内三度つゝきてゑ、石をころはし、たいまつをなけ、可見届候、為其申遣候、恐ゝ謹言、

追而、時分柄ニ候間、火之用心尤候、何れも昼ねて、夜可踞候、如法度、敵之足軽出候者、門ゝをとち可踞候、此一ケ条きわまり候、又足軽ふかく出間敷候、以上、

→戦国遺文 後北条氏編2431「北条氏邦書状写」(諸州古文書十二武州)

天正10年に比定。

 ただいまの報告では、信濃国より透波ども500ほどが来て、その地を乗っ取るだろうとのことでした。昼夜ともによくよく用心すべきでしょう。『きてきて』へいつでも、宵から暁までの夜明かし番が大事です。常に1つの当番は9つ(午前零時)との間を空けて出す。この用心がもっともな事です。ただいまは寒い時期ですから、月夜でなければ忍びは侵入できません。何れも物主どもが覚えて番をして、夜の内は3度突いておき、石を転がし松明を投げて確認すべきです。それを伝達するように。

 追記。時分柄で火の用心がもっともです。どちらも昼寝て夜待機すべきです。規則のように、敵の足軽が出たら、各城門を閉じて待機するように。この1ヶ条に極まります。また、足軽は深入りして出ないように。

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