従信州奥へ御移候由承、内々御床敷奉存候処、御使僧并御芳札苟以畏入候、特更種々贈被下候、是亦祝着令存候、如何様来春以使者万端可申伸候、来七日駿府へ罷越候、取乱之条、早々覃御報候、非無沙汰候、委曲令付与彼御使僧口上之由、可得尊意候、恐惶敬白、
極月五日
陸奥守信虎(花押)
進上六寮
→静岡県史「武田信虎書状写」(相州文書所収清浄光寺文書)
信濃国奥からお移りになったとのこと、承りました。お目にかかりたいと思っていたところ、お使いの僧とお手紙を戴き恐縮しております。特に様々な品をお送り戴きまして、こちらも祝着に存じます。何はともあれ来春は使者をもって万端申し上げます。来る7日に駿府へ赴きます。取り乱しておりますが、取り急ぎご連絡いたします。無沙汰ではありません。詳しくはあの使僧が口上で追加するそうで、御意を得られるでしょう。