NHKの大河ドラマ『清盛』が始まったので観てみた。大体この手の主人公は栄達するかその寸前で悲劇的な死を迎えるかのどちらかなので、平清盛という半端な死に様をどう描くのか興味があったので。

結果、初回冒頭で全体の方向性と結末が見えたように思う。壇の浦での平氏族滅を聞いた源頼朝が「清盛が武家政権の基礎を作ったんだから、そのー族が滅んでも喜べない」と強引な台詞を述べる。その後ドラマ全体の語りが頼朝になるので、多分「息子達では武家政権を維持できないっぽい。色々あったけど頼朝に託す」みたいな事を考えながら清盛が死ぬような展開ではないか。後世人のご都合主義が強過ぎて鼻白む。

後はフィクションとしては面白そうな作りだった。ご落胤説と「民衆の味方の武士が腐敗した旧政権を打倒」という戦後のマルクス歴史観が併立するらしい。まあ葛藤は様々仕掛けられるだろう。

不図、『日本に古代はあったのか』という本を思い出した。日本史で一般に古代と中世を区切る際、鎌倉幕府の成立を用いる。しかし、律令以後に新しい法体系を出さぬまま公権を私物化していたのは公家も武家も変わらない。ドイツ史・フランス史のように日本史も中世から始めればよいのではないか。これが上掲書の趣旨だ。私もそう思う。

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