取合・取相

 極端に異なる意味を持つ、扱いが難しい言葉。「紛争する」と「仲介する」という両方の意味が、ここにアップした文書内で出てくる。「紛争する」という場合は「取り合う」、「仲介する」という場合は「執り成す」として現代語につながるものと思われる。
 「取相」は「相」を「あい」と読み、「取合」と同じ言葉の別表記となる。

 一番微妙な例を挙げてみた。岡崎城の松平広忠が尾張と同盟したために無沙汰となったのか、尾張と岡崎が紛争となったために無沙汰となったのかは、この文書だけでは決めがたいものがある。何れにせよ、松平氏が織田氏と何らかの状態(同盟か交戦)に陥ったために今川方への納税が滞り、その知行地を差し押さえたのが長田喜八郎だった。それを義元が賞したというストーリーが描ける。

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