猶以近年ハたかいに等閑之様ニ候、此上者引かいられ可仰蒙候、我ゝも兼而貴所江於細事之儀もいこん無之、いかさま以■可申、以上、
蒔田所迄先日内意委細承届候キ、然処ニ向後我ゝふさた有間敷之段、せいし以仰候、誠以祝着よし様もなく候、もちろんなから於我等も向後ハ弥ゝ可申承候、心底不相替候様ニ尤存候、以上、
四日
直定(花押)
「かけ山長門尉殿 参
左馬助」
「蔭山■■殿 左馬助」
→戦国遺文 後北条氏編4227「松田直秀書状写」(諸家古文書写)
蒔田の所まで先日は内意・詳細をお受けして届けました。というところに、今後は私たちの間で行き違いがあってはならないと、誓紙をもって言っていただきました。本当に祝着でこれ以上のことはありません。もちろん私も今後はますますお話をお聞きしましょう。心底は変わらぬようにするのがもっともです。
さらに、近年はお互いに等閑している状態でした。こうなった上は『引きかいられ』て仰せをお受けしましょう。私たちも兼ねてよりあなたへ細事であっても遺恨はありませんでした。どのようにでもお申し付けくださいますよう。