猶以、是迄御尋、過当之至、難申上候、其以来者、無音信、背本意奉存候、何様自是可得尊意候、かしく、

被入御念、是迄預御使僧候、誠以忝奉存候、如尊意、此度不慮成儀共、更可申達様も無御座候、我等躰迄めいわく仕候、乍去、拙者なとニハ■日至而、替仰出も無御座候、名ゝ御家■■候故、先其侭可■■之由、御ふれ候間、■■面ゝ仰出旨相待申処ニ候、委曲従是可得奉尊意候条、此旨以可■■心得候、恐惶敬白、

七月十八日

 松田三衛門尉 直憲(花押)

高室院 御同宿中

→戦国遺文 後北条氏編4305「松田直憲書状」(高室院文書)

天正19年に比定。

念を入れてこちらにご使僧をお預けいただき、本当にありがたいことです。仰るように、この度思いがけないことになりましたが、これにご指示が出る様子もありません。私のような者まで困惑しています。とはいいながら、私などには今日に至っても代わりのご指示はございません。それぞれお家に□□(忠節?)したから、まずはそのまま□□(待機?)するようにとのこと、周知がありましたので、□□(再出仕?)する面々のご提示を待っているところです。詳しくはこちらから尊意を得るようにいたしますので、このことをお心得ありますように。

 さらにもって、これまでお尋ねいただいたのは過分なご配慮で、申し上げにくいところです。それ以来は連絡もなく、本意ではありませんでした。どうか尊意を得られますように。

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