就僧衆参詣、便書預示候、尤祝着之至候、御国静謐、其許弥御盛勢之由及承候、定本懐之至候、随而当国之錯乱、惣国之義者、過半無為〓[口+愛]調寄候、当城之義、于今不相済候而、鉾楯半候、去年以来之儀候間、要害逐日無力過之条候、見及候分ハ、調落危候、自然延候由、不図罷上、可請御扶助候、時宜尚彼僧衆可有物語候間、不能委曲候、恐々謹言、
五月十三日
大僧正日覚(花押)
鵜殿玄長 御返報 参
→戦国遺文 今川氏編1396「菩提心院日覚書状」(蒲郡市上本町・長存寺文書)965号で日覚は天文19年11月16日没という。
僧衆の参詣について、ご書状でお示しいただきました。もっともで祝着の至りです。お国が静謐であなたも勢いが盛んであるとのこと、承りました。きっとご本懐の至りでしょう。ということで当国の混乱は、全体としては、大体が無力で、和睦の準備を寄せています。当城のことは、今は和解できずに半ば紛争状態です。去る年以来のことなので、要害は日を追って無力に過ごしています。見及んだところでは、落城が危ぶまれます。万一延ばされたことなら、ふと罷り上り、ご扶助をお願いするでしょう。時宜によりさらにあの僧衆が物語りするでしょうから、詳しくは話しません。