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上杉顕定、三田弾正忠に、高倉偵察を含む作戦動向を知らせる一方、椚田防御が重要であることを示す

就其口敵相動注進、只今戌刻到来、火手見候上無心元候間、長尾修理亮其外至于高倉差越候処、敵入馬候由、告来候間、至于酉刻帰陣、今日刷之次第、被露紙面候、無是非候、椚田事大切候、彼地へ動候者、則被馳籠、堅固之備肝要候、恐々謹言、

三月晦日

 顕定(花押)

三田弾正忠殿

→駿河大学論叢40号 24「三田弾正忠宛書状」(谷合島太郎氏所蔵文書)

 その方面へ敵が出動したとの報告について。現在戌刻に到着。火の手が見えたので心配になりましたので、長尾修理亮らを高倉に派遣したところ、敵が攻撃したことを告げてきたので、酉刻に陣へ帰り、今日の作戦動向を紙面で披露しました。是非もありません。椚田のことは大切です。あの地へ動きがあったら、すぐに駆けつけて籠もり、堅固な備えをするのが肝要です。

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