隙入

北条氏政、酒井伯耆守に、榎本参陣を褒め防戦を指示するの中で

今度当表隙入ニ付而、榎本ニ以三百之人数在陣可走廻由

という表現がある。「隙入」を当初「すきいる」=「隙を狙って入り込む」のように漠然と解釈していたが、以下の語義があることが判った。

『古文書古記録語辞典』

ひまいる 手間どる、手数がかかるの意。

『時代別国語大辞典』

ひまいり 心ならずも時間をとられる用事。

ということで、アップした文書の解釈は、

この度、この方面で手間取っている件で、榎本に300の人数で在陣して活躍なさるだろうとのこと

とするのが正しいようだ。

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2 comments untill now

  1. マリコ・ポーロ @ 2013-04-28 21:17

    なるほど。コレもアレですね。

  2. さようです。信長自筆の

    我等御隙入候者
    上斗候 無用候

    相州之使これを
    其元にて仕立候て
    ミやけとして可遣候
    かしく
    夕庵まいる 信

    と同様ですね。その節は誤解釈で失礼しました 🙁