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北条氏直、北条綱成と垪和伊予守に、依田・真田氏の離反への対応策を伝える

廿三日之注進状、今廿四日[午刻]、参着、令披見候、然者芦田・真田令一同、伴野与小諸之間を打通相動由、無是非候、然共指行者致得間敷候、各油断有間敷候、雖無申迄候、近辺之味方中不力落様之備肝要候、必ゝ手前計之備候者、不計凶事可出来候、得心尤候、敵之陣庭以下模様見届、幾度も注進尤候、猶人衆をも指越、一行存分候ヘ共、其表之模様然ゝ与不間得候、無是非候、必ゝ味方中不力落様之備肝要候、恐ゝ謹言、

十月廿四日

 氏直(花押)

上総入道殿

垪和伊予守殿

→戦国遺文 後北条氏編2583「北条氏直書状」(田中左門氏所蔵文書)

天正11年に比定。

 23日の報告書、今日24日正午に到着して拝見しました。依田・真田が連携して、伴野と小諸の間を突破して作戦しているとのこと。是非もありません。とはいえ対応することはなりません。おのおの油断してはなりません。申すまでもないことですが、近辺の味方たちが力を落とさないよう備えるのが肝要です。手近な備えばかりを優先するならば、図らずして凶事が起きるものです。心得て敵の陣地の様子を見届けて何度も報告するのがもっともです。さらに部隊を派遣して一つ作戦する存分ですが、その方面の状況を確実に確認していません。是非もありません。必ずや味方中が力を落とさないようにするのが肝要です。

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