御札拝見申候、昨日以飛脚如被申入候、去十五御着輿、氏政歓喜不大形候、御状之趣、石一口上承届、具氏政へ為申聞候、何篇ニも可被任置之由被申候、拙者事、大細内外毛頭無疎意、無二無三可走廻候、乍恐可御心安候、委細朝比奈弥大郎倩口上候之条、重而可得御意候、恐ゝ謹言、
八月十七日
 北条美濃守 氏規(花押)
徳川殿 人ゝ御中

→戦国遺文 後北条氏編2566「北条氏規書状写」(紀伊国古文書所収藩中古文書四)

天正11年に比定。

 ご書状拝見しました。昨日飛脚によって申し入れられたように、去る15日にお輿が着きました。氏政の歓喜は大方ならざるものです。ご書状の内容は石原一左衛門尉安定が口頭で承って届け、詳しく氏政へ申し聞かせます。何かとお任せ置きを申されました。私のことは、大小・内外で毛頭疎かにするものではありません。無二無三に活躍するでしょう。恐れながらご安心下さい。詳細は朝比奈弥太郎泰勝がよくよく口上を申しますので、重ねて御意を得られますよう。

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