江雪帰洛ニ付而、一筆令啓述候、去十九日御目見申候、種ゝ様ゝ御懇意之御諚共、誠過分忝候、毎度如申候、連ゝ御取成故ニ候、就中女房衆昨日罷着候、是又御肝煎故、旁参洛之上、会面を以可申宣候、恐ゝ謹言、

八月廿八日

見性斎 氏直(花押)

施薬院 床下

→小田原市史2089「北条氏直書状(折紙)」(東京都目黒区 尊経閣文庫所蔵)

天正19年に比定。

 板部岡江雪が京に帰るに当たり、一筆申し上げます。去る19日にお目見え申しました。色々様々なご懇意のお取り計らいがあり、本当に過分でかたじけないことです。毎度申しているように、ずっと折に触れお取り成しいただいたからです。とりわけ女房衆は昨日到着しました。これもまたご手配によるものです。何れにせよ京に行った上でお目にかかって申し上げましょう。

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