此間者、御物遠候間、内ゝ従此方可申入候由存候処、■給候、忝存候、仍小田原へハ、如何様之御番手候哉、模様無心元候、承度存候、当口替儀無之候、滝川ハ厩橋在城、万端可有御推量候、爰許ハ五日之内大普譜を存立候、其地も可為御同意歟、然者、一名物花被懸御意候、当口ニ花も無之候、如何様以次自是可申候、恐ゝ謹言、

五月廿三日

 安 氏邦(花押)

大駿 御返事

→戦国遺文 後北条氏編2342「北条氏邦書状」(小田原城天守閣所蔵安居文書)

天正10年に比定。

 ここのところご無沙汰しておりましたので、内々にこちらからご連絡しようと思っていましたところ、ご連絡をいただきかたじけなく思います。さて、小田原にはどのような番手だったのでしょうか。ご様子心もとなく、お伺いできればと思います。こちらの口で変化はありません。滝川は厩橋に在城しています。万端ご推量下さい。こちらは5日以内に大普請を存じ立てています。そちらもご同意なのでしょうか。ということで、名物の花、御意にかけられました。当口には花もありません。諸々、次の機会に申し上げましょう。

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