著者は梅沢太久夫氏。神田の三省堂で購入。まつやま書房という東松山の地元で『比企双書』として出版している。

内容は本格的で、関東戦国史を調べる際にとても重宝するだろう。私はじっくり読もうと思う。

そもそも上田氏は権現山挙兵や、松山城攻防で知られているものの、大石や長尾とは異なり、把握が難しい。

少し見ただけだが、案独斎が何人もいたり、諱が朝直な人物が2人いたり。秩父から東に進出している様子は、氏邦との関係性も窺えて面白い。

1次史料に丹念に向き合う好著である事は間違いないので、興味のある方はご一読を。

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2 comments untill now

  1. マリコ・ポーロ @ 2012-05-19 12:00

    松山城の山頂にある説明版は梅沢氏の監修でした。年表も細かくて享徳の乱にも触れていました。
    私達は見入って熟読してしまい、こういう説明板が欲しいよねえと話してましたが、城跡公園の感覚で遊びに来た方にはややこしいだろうなあと思いましたわ。

  2. コメントありがとうございます。梅沢氏は元々考古学系の方だったのが、独学で古文書の領域に踏み込んだそうです(同書後書きより)。

    松山城はもう20年くらい前に訪れた切りですが、当時は看板もなくて神社の跡らしきコンクリートの基礎と、神楽舞台らしき廃屋、後は変な物置みたいな小屋にガラクタが詰められていた記憶があります。岩窟ホテルの洞穴から若者数名が出てきて驚いたことも今思い出しました。岩室観音堂といい、吉見百穴といい地下軍事工場といい、かなり変わったスポットですよね。