急度申達候、然者氏政為麦秋之動出馬候、御一勢可被立進候、自拙者相心得可申達之由、内義被申越之間、以使申届候、御人衆有御遅ゝ者、無其曲候条、来五日其地を被打立候様、堅可被仰付事、専肝候、委曲口上ニ申含候、恐ゝ謹言、

陸奥守 氏照(花押)

卯月廿八日

→戦国遺文 後北条氏編 1847「北条氏照書状」(米沢市立図書館所蔵色部文書)

天正4年に比定。

 取り急ぎ申し上げます。氏政が麦秋の作戦として出馬しました。軍を立て進められますように。私より心得を申し上げましたこと、内々で申し越されましたので、使者によってお伝えいたします。そちらの部隊が遅れたならば詰まらないですから、来る5日にその地を出立なさるよう、堅く仰せ付けられますのは、専ら大事なことです。詳しくは口上に申し含めます。

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