幸便之間令啓候、抑路次無相違御上洛之由伝承、令安堵候、御在国中者、毎物無風流之式、失面目候、雖然、無等閑申承候儀、于今ゝゝ難忘、御残存計候、就中、京都様子如何、 御上洛御催候哉、実説不聞候、便ニ具可記給候、委曲記来便候、恐々謹言、

氏康(花押)

驢庵 几下

→小田原市史 資料編 小田原北条1「北条氏康書状(切紙)」(服部玄三氏所蔵文書)

1566(永禄9)年に比定。

 幸便があったのでご連絡します。道中間違いもなく上洛なさったことを伺い、安堵しました。こちらに在国の間は、どうにも風流がなく、面目を失いました。とはいえ、懇意にして下さるとのこと、今も忘れがたく、お名残り惜しいばかりです。とりわけ、京都の様子はどうでしょう。(将軍)御上洛はなさったのでしょうか。事実情報が聞こえてきません。書状に細かく書いて下さい。詳細は次の便りに記します。

Trackback

no comment untill now

Sorry, comments closed.