12月の更新

12月1日からのエントリーでは、古文書のアップを優先する。これは2月に刊行予定の『戦国遺文 今川氏編2』によって今川氏関連文書が増える予想に備えるものであり、また、様々な論の展開に必要な文書を補充する目的もある。

いつもより堅苦しい内容になりがちだが、解釈への疑問点・意見などあれば、コメントなどでお知らせを。

時事情報になるが、11月27日に山形城本丸から戦国期(最上氏時代)のものと見られる建物跡が見つかったという。火災で焼けた跡が最上義光書状の「本丸が焼けた」の記述と合うそうで、根石を置く形式と掘っ立て式の混在、焼けた瓦の存在により、戦国末期の姿がこれから明らかにされるだろう。

一方、近江八幡市ではシンポジウム「安土 信長の城と城下町」が同じ11月27日に開催された。安土城内の清涼殿存在有無が議論されたようで、その成果の発表が待たれる。

その他、ようやく国史跡となった岐阜城では金箔瓦、金沢城兼六園成立以前の城内庭園『玉泉院丸』で階段状の滝、甲府城では羽柴氏時代の石垣が見つかっている。

松本城は幕末期の景観を取り戻すべく、2018年度完成を目指して外堀復元計画が開示された。恐らくここでも貴重な遺構が見つかることだろう。

岩槻城跡で11月20日に開かれた見学会では、近世・戦国期と共に縄文期の遺物も公開された。それぞれの時代でどのように場所が使われたかは、文献だけでは知りえない。

このような発掘調査によって史料解釈は精度が高くなり、大きく前進する。史料を読む際の留意事項が増えるが、とても嬉しい作業増だ。

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