態馳筆候、抑東国鉾楯無際限事、且云味方中労苦、且云万民無安堵思、旁以今年関東可討是非議定候、当月之事者、漸無余日候、何様来月者、必可越山候、定而甲相両軍茂可出張候間、以防戦一途可落着候、於勝利者無疑候、然者上武之間、何之地立馬候共、人数打振、頓速着陣簡要候、尤可被稼此時候、為其兼而及届候、恐々謹言、

八月廿四日

景虎在判

長尾新五郎殿

→神奈川県史 資料編3「長尾景虎書状案写」(北越家書八)

1560(永禄3)年に比定。

 折り入って筆を馳せます。そもそも東国の紛争は際限がないこと。そして言われるのが味方中の労苦、そしてまた言われるのが万民が安堵の思いをすることがないことです。その一方で、今年関東でこれを討つべきかの是非を議定しました。今月はもう日もありませんが、どのようにしても来月は必ず越山するでしょう。きっと甲斐国・相模国の両軍も出撃してくるでしょうから、専守で落着して下さい。勝利については疑いありません。ということで、上野国・武蔵国の間では、何れの地で馬を立てるとしても、軍勢を振り分けての素早い着陣が肝要です。実績を上げるのはこの時でしょう。そのために前々からご連絡しています。

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