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北条氏照、猪俣能登守に返信して守備を指示する

別紙之書面披見候、仍沼田之儀在城之所、淵底存之前候、従此方も疾ニ雖可申届候、去夏以来在府大普請請取、其上上方之儀付而、無際限御用ニ取乱、依無手透、是非不申届候、其地之於仕置者、其方在城之儀候間、心易候、肝要之御城之儀ニ候条、此御世上ニ弥堅固之備、昼夜不可有由断候、然而太刀一腰并〓(我+鳥)目百疋到来珎重候、一儀自是可申届候、恐々謹言、

正月十七日

氏照(花押)

猪俣能登守殿

→北条氏照と八王子城「北条氏照書状」(東京大学史料編纂所所蔵猪俣文書)

1590(天正18)年に比定。

別紙の書面を拝見しました。沼田のことは在城のところ、心底は判りきったことです。こちらよりも以前から指示しようとしていましたが、去る夏以来小田原に詰めて大普請を請け負っています。その上、上方のことについて際限なく取り乱しており、手が空かずに、是非が指示できません。そちらの処断はあなたが在城しているのですから、安心しています。重要な城であることですから、この世情ではますます堅固に守備して、昼夜にわたり油断しないで下さい。ということで太刀1腰と現金100疋が到着して喜ばしいことです。一通りこちらから指示します。

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