「助五郎殿 御返事 義元」
猶ゝ文御うれしく候、あかり候、いよゝゝ手習あるへく候、ニ三日のうち爰を立候へく候間、廿日此は参候へく候、かミへも此由御ことつて申候、何事も見参にて可申候、かしく、
文給候、珍敷見まいらせ候、此間小田原にてみなゝゝいつれも見参申候、けなりけに御入候、可御安心候、それのうはさ申候、春ハ御出候ハん由候間、万御たしなミ候へく候、いつれも兄弟衆様躰長敷御入候、見かきられてハさんゝゝの事にてあるへく候、
→戦国遺文 後北条氏編「今川義元書状」(喜連川文書)
年次不明。助五郎は北条氏規。
お手紙いただきました。珍しく拝見しています。こちらでは小田原で、皆さん全員にお会いしています。お元気そうですからご安心下さい。あなたの噂も出ました。春にはお出でになるとのことですから、色々と身に着けておいたほうがよいでしょうね。どの兄弟衆も様子が大人びていらっしゃいます。見限られてしまったら散々なことですよ。
追伸。お手紙嬉しく思います。腕を上げましたね。更に手習いしましょう。2~3日のうちにここを立つでしょうから、20日頃にはそちらに参ります。家内にもこのことを伝えて下さい。色々とお会いした折に申します。かしこ。