御上洛以後不申上候、慮外之至候、仍従屋形以書状被申入候、将又、尾崎かたへ尊書、於当地拝見仕候、彼御縁之儀、於被仰調者、尤存候、依此御返事、家老之仁一両人以書状可被申入候、就中貴国與相甲和與之御扱之旨、風聞候、於事実者、当国を証人仁被成之様、御馳走候者、祝着可被申候、委細様躰永順ニ申含候間、令省略候、此等之趣、可預御披露候、恐惶謹言、

四月廿四日

   宗是(花押)

進上

 今林寺方丈

  衣鉢禅師

→神奈川県史「宗是書状」(上杉文書)

ご上洛以来ご連絡申し上げませんでした。思いもかけなかったことです。屋形(氏真)よりも書状をもってご連絡します。または尾崎方へお送りのお手紙を当地にて拝見しました。あの御縁のこと、仰せのことはもっともです。これによりお返事は家老『一両人』からご連絡することとします。特に貴国と相模(後北条氏)・甲斐(武田氏)の和平の準備についてですが、風聞がありました。事実は、当国を証人にしようとしたものです。ご馳走いただけたことは祝着だと申されるでしょう。委細は永順(遊雲斎)に申し含めているので省略しています。これらの事情、ご披露するでしょう。

本書状は(1568(永禄11)年)と比定されている。

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