尚ゝ、勅作薫物十貝・照布一端令進之候、表祝儀計候、
御札殊臘燭一折、御懇情祝着仕候、随而従切流斎尊書并両種拝受候、忝存候、可然様御取成奉憑候、不計御上洛待入候、猶笠越可被申展候条、令省略候、恐惶謹言、
二月廿五日
全宗(花押)
北条美濃守殿 御返報
→小田原市史 中世I 710「全宗書状」(韮山町・堀江文書)
天正16年、もしくは17年に比定。
ご書状、特に蝋燭1折は、親しいお気持ちで祝着に思います。それに従って截流斎(氏政)より尊書と両種を拝受しました。かたじけないと思います。しかるべくお取り成しをお頼みいたします。図らずのご上洛をお待ちしております。さらに笠原康明がご説明するでしょうから、省かせていただきます。
追記:勅作の薫き物10貝・照布1反をお送りします。形ばかりの祝儀です。