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北条氏政、一謳軒に、再会を願い礼物を贈る

雖無指儀候、商人左近士上洛候間、及一翰候、抑其以来海陸共ニ不合期候条、無音、誠背本意候、勇健ニ御入候哉、旦夕御床敷候、就中関東表之事、逐日氏直令静謐候、路次在自由、今一度遂会面度念望迄候、随而雖不珍候、八丈嶋[黄白]一合、進之候、猶期後音之時候、恐々謹言、
十月七日
 氏政(花押)
一謳軒

→小田原市史1624「北条氏政書状」(福山市・承天寺所蔵)

『兼見卿記』天正12年11月22日条「自相州北条氏直、去年遣祓、其返事在之、八丈嶋五端到来了、左近士罷下、即使者右近允ヲ遣了」とあることから、天正12年に比定。

 さしたる用事はありませんが、商人の左近士が上洛するので一筆に及びます。そもそもあれ以来は海陸ともに都合がつきませんでしたのでご無沙汰し、本当に不本意でした。お元気でしょうか。朝夕にお懐かしく思っています。とりわけ関東方面のことは、日増しに氏直が鎮圧しております。交通も自由になりました。また一度お会いしたいと願っています。そして珍しくもありませんが八丈織の黄白を1揃いお贈りします。さらに後での便りを期しましょう。

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