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武田晴信、多賀大明神に長女の安産を祈願する

敬白願状

武田信玄嫡女北条氏政簾中也、今茲秋之仲懐産之幾萌也、依此先暢祝祭矣、持多賀大明神者、攘異之霊社也、就中能済人之命、粤即息女護産出平安而、令授与寿於百歳、則近年献納之外、毎年黄金五両充重可奉納者也、仍祈願之旨如件、

永禄三年[庚申] 七月吉日

 徳栄軒(花押)

奉納多賀大社大明神宝殿

→武田氏研究50号 戦国遺文武田氏編 補遺21「武田信玄願文」(滋賀県・彦根城博物館所蔵西村藤右衛門家文書)

 敬って申す願い状。武田信玄の嫡女は北条氏政の簾中である。いまここに秋の半ば懐妊の兆しがある。これにより祝祭を伸ばす。持多賀大明神は、攘異の霊社である。特に人の命を斉しく能くする。さてそこで、息女出産の平安を護って、百歳の寿命を与えたまえ。であれば近年の献納のほか、毎年黄金5両を加えて奉納するものである。よって祈願の旨このとおりである。

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