如蒙仰、其以後者御無音罷過候、慮外之様ニ可思召処、令宣来候、仍有御用板倉之猟師共ニ白鳥之儀被仰付候哉、御肝要ニ存候、然ニ我等押申候由、彼者共申上候歟、 愛宕八幡〓(大+廾)為如何、御領所へ我等左様ニ慮外可申候歟、一円偽之義共ニ候、扨又愚領之内ニ而者、我等者猟を仕候間、他領之者ニ者、不為致之候、喩目安を以申上候共、此外申処無之候、貴辺得御指南上者、〓(己+十)竟可然様ニ 御大途へも被御申上、■過分候、委曲令期後音之時候、恐ゝ謹言、
茂又 康秀(花押)
極月十五日
垪伯 御報
→戦国遺文 後北条氏編4576「茂呂康秀書状」(茂木文書)
仰せのように、それ以後はご連絡もなく過ごしておりました。慮外のようにお思いでしょうところ、お伝えをいただきました。さて御用があり、板倉の猟師どもに白鳥のことを仰せ付けられたのでしょうか。ご肝要に思います。しかるに私が妨害したとのこと、あの者どもが申し上げたのでしょうか。愛宕八幡、いかなるため、御領所へ私がさように慮外を申すでしょうか。一円偽りのことです。そしてまた私の領地のうちでは、私は猟をしますから、他領の者にはこれを致しません。たとえ目安で申し上げようとも、このほかに申すところはありません。貴辺のご指南を得た上は、結局しかるべきように、御大途にも申し上げられ過分なことです。詳しくは後の連絡を期します。