急度令啓候、抑已前度ゝ申達候、至野州口近日可致出張候、内ゝ以使、始中終所存雖申述度候、路次不自由之間、不及了簡候、願者至于中旬、向佐竹御出張所希候、若替儀有之者、重而可申入趣、委細弟候源三可申候、恐ゝ謹言、
三月廿二日
氏政
蘆名殿
→戦国遺文 後北条氏編1643「北条氏政書状写」(歴代古案七)
1573(天正元)年に比定。
取り急ぎご連絡します。そもそも以前より度々申し達していました。下野国方面に近日出撃するでしょう。内々に使者をもって、最初から最後まで所信を申し述べたく思っていますけれども、交通が不自由なので、実行に及びませんでした。願わくば中旬に、佐竹に向かいご出動をこいねがうところです。もし変更がある際は重ねて申し入れるでしょうこと、詳細は弟の源三が申すでしょう。