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今川氏真、東漸寺に、飯尾豊前の寄進を改めて保障する

遠江国濱松庄内東漸寺領分田畠屋敷等事

右、飯尾豊前乗連為母菩提、停止棟別・反銭・諸役永令寄附云々、然処、去子年四月八日飯尾与松平蔵人令対面砌、鷲津本興寺江蔵人軍勢令乱入、其時彼寄進状於老師庵室粉先之由、只今以誓句言上之間、任其儀如前々寺領今度奉行相改、如帳面永領掌畢、縦雖有横妨之競望、為新寄進成判形之間、一切不可許容、自然至後年増分雖令出来、無相違可有寺務、此旨聊不可有相違者也、仍如件、

永禄九[丙寅]年閏八月六日

 上総介(花押)

東漸寺日亮

→戦国遺文 今川氏編2101「今川氏真判物」(東漸寺文書)

 遠江国浜松庄内の東漸寺の領地分、田畠・屋敷などのこと。右は、飯尾豊前守乗連が母の菩提として、棟別銭・段銭・諸役を免除し、末永く寄付したという。そうしたところ、去る子の年4月8日に飯尾と松平蔵人が対面した折に、鷲津の本興寺へ蔵人の軍勢が乱入し、そのときあの寄進状を老師庵室で紛失したとのこと、ただいま誓言をもって言上しましたので、その内容に任せて以前のように寺の領地を今度奉行が改め、帳面のように了承する。たとえ横からの異議があったとしても新たな寄進として決裁するのだから、一切許容しないだろう。後々の年に万一増分ができたとしても、相違なく寺の所領となすべきである。この旨は些かの相違もあってはならない。

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