去十月、於嶋田取出城、自身粉骨并同名被官人等、無比類御動、其上各乗崩、頭二討捕、此外切捨数多有之由、甚以感悦也、然者同名助次郎与黒谷半六者、相討之段神妙也、同兵藤五郎大夫頭一討捕之旨、是又無比類、弥可抽忠功之旨、可申付之状如件、
永禄四 十二月五日
氏真判
奥平監物丞殿
→戦国遺文 今川氏編1778「今川氏真感状写」(東京大学総合図書館所蔵松平奥平家古文書写)
去る10月、嶋田砦の城において、自身が粉骨し、同時に一族・被官人などが比類のない働きをなさいました。その上各々が乗り崩し、首級2つを討ち取りました。このほか切り捨てが多数あったとのこと。はなはだもって感悦です。ということで同姓助次郎と黒谷半六は、相討ちとなったので神妙です。同じく兵藤五郎大夫が首級1つを討ち取ったとのこと。これもまた比類のないことです。ますます忠功にぬきんでるように。