御札披見、殊ニ三種給置候、誠以畏悦此事候、今度東口之儀者不及申、北国表迄御行、定而可為御満足候、然而先段御屋敷分之事、急度被御聞届、自拙者可申上由、内大思召候者、自内大御札一通可給候、涯分御取成可申候、遅々候而ハ、弥可有横合候、御心得専要候、依躰松井田へ可罷移候、於中途成共彼是申来候処、自松以其以来御床敷候、緒余自是可申述候、猶態示給御音信祝着千万候、恐ゝ謹言、

九月十八日

 大駿 政繁(花押)

大民

  御報

→戦国遺文 後北条氏編2413「大道寺政繁書状写」(新編会津風土記六)

天正10年に比定。

 書状拝見しました。特に3種をいただきまして、本当に恐れ多くも嬉しいとはこの事です。この度は東部戦線の事は言うに及ばず、北国方面まで作戦を行なわれ、きっとご満足なさっていることでしょう。さて、先のお屋敷分のことですが、取り急ぎお聞き届けになられました。私から申し上げるようにと『内大』が思し召しなので、『内大』より書状1通をお送りになるでしょう。最大限お取り成しになるよう申しますが、遅くなってはますます邪魔が入りますからお心得が大切です。松井田へ移るので、途上においてでもあれこれ申し上げようとしたところ、『松以』より、それ以来お慕わしく思います。端緒から終わりまでこの者が申し上げます。更に折り入ってご近況をお示しいただき祝着千万です。

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