芳翰披閲候、抑就当家督、息氏政直之態蒙仰候、殊太刀一腰、紅燭弐百挺、送給候、遠境与云、芳志此事候、何様御礼自是可申届候、就中、上総向久留里取立新地、普請悉出来之間、近日可納人数候、委曲岩本可申候、恐々謹言、
五月九日
氏康(花押)
白川殿
→小田原市史 史料編 中世2 小田原北条1「北条氏康書状」(白川文書)
氏康花押より1560(永禄3)年に比定。
お手紙を拝読しました。そもそも当家の家督について、息子の氏政に直々に仰せをいただきました。特に太刀1腰・紅の蝋燭200挺をお送りいただきまして、遠路ということもあり、お心遣いとはこのような事を言うのでしょう。何はともあれお礼をこちらから申し届けます。とりわけ、上総国で久留里城の向かいに新しい砦を構築し、工事は全て終わったので近日部隊を撤収させます。詳しくは岩本が申し上げるでしょう。