態申入候、抑前年在京中御懇之儀、難忘忝存候、当国不慮之題目無是非候、然処家督之儀、無去所候間領掌、唯今礼申候、仍為祝儀黄金弐両令進覧候、聊表嘉例計候、毎事期後音候旨、可請御意候、恐惶謹言、
八月十日
義元(花押)
逍遥院殿 人々御中
→静岡県史 資料編7「今川義元書状写」(加能越古文叢二十五)
1536(天文5)年に比定。
折り入ってご連絡します。前年に在京した折はご親切にしていただきましたこと、忘れずにありがたく思っています。当国で不慮の案件が発生して是非もないこととなりました。そうしていたところ家督の件は、去ることもなく掌握することとなりました。今お礼を申し上げます。祝儀として黄金2両を進上いたします。些少ながら、めでたい先例としてお贈りします。事ごとに後でご連絡する旨、お心に添いますように。