甚二郎殿別儀付而、具承候、 御屋形様并竹千代丸江忠節之事候間、甚二郎殿あとしき、無相違渡可申候、本知あいはの事ハ、只今東条殿へ被進候間、いまハなりかたく候、おつての儀たるへく候、将又うり地の事、甚二郎別儀の上ハ新地ニ成候事候間、無別儀申調可進候、如此上者、松井・山内両人ニ可任置候、委細酒井小五郎ニ申候間、諸事彼意見可被聞候、

 右、此条ゝ申合候儀、三人偽候ニ付而者、

日本国中大小神祇、別而者八幡大〓(艸+廾)・富士浅間大〓(艸+廾)・白山妙理大権現・天満自在天神御罰可罷蒙者也、仍如件、

天文廿年

十二月二日

飯豊 乗連(花押)

二近 持長(花押)

山新 景隆(花押)

松平甚太郎殿

  参

→新編岡崎市史「岡崎城代山田景隆等連署血判起請文」(観泉寺所蔵文書)

 甚二郎殿の別儀について、詳しく承りました。御屋形様(今川義元)と竹千代丸への忠節のことがありましたので、甚二郎殿の跡目は相違なく譲渡して下さい。本領の饗庭のことは、現在東条殿へ進上していますので、すぐには渡せません。追っての処理となるでしょう。さらに売った地のことは、甚二郎が別儀となった以上は新地となりますので、別儀なくこれを調整して進めて下さい。このようになりました上は、松井・山内両人に一任するでしょう。詳しくは酒井新五郎に申していますから、諸事彼の意見をお聞き下さい。
 右、この項目で申し合わせたことについて、3人が偽りを申しているのであれば、日本国中代償神祇、特に八幡大菩薩・富士浅間大菩薩・白山妙理大権現・天満自在天神の神罰を蒙るものである。

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