急度染一筆候、和田辺麦毛純■■■、頻而告来候条、来■日■井田■、四日■和田■移陣候、然者人数一向不調候、苻内可被相触候、次駿州江信虎様御越候哉否、節々彼国之模様被聞、註進待入候、随而於于旗屋之祈念之事、無疎略御勤行尤之由、不閣可有催促候、恐々謹言、
追而、新造御祈祷真読大般若之事、駿州江被聞候条、無疎意可被申付候、
五月一日
信玄(花押)
高白斎殿
市川七郎右衛門尉殿
→静岡県史「武田晴信書状」(比毛関氏所蔵文書)
1565(永禄8)年に比定。
取り急ぎご連絡します。和田周辺の麦作が実ったと報告がありましたので、来る■日に松井田、4日に和田に陣を移します。ということで軍勢が一向に整わないので、府内で触れを出して下さい。次に駿河へ信虎様がお越しでしょうか。折に触れてあの国の模様を聞き出して下さい。報告を待ち望んでいます。旗屋の祈念のこと、疎かにせず勤行に励むのが尤もだとのこと、間をおかず催促するようにお願いします。
追記:新造のご祈祷は大般若経の真読のこと。駿河国へ聞かせたので疎意なく申し付けるように。