一今度甲州衆越山儀定上、当月中必可被遂対談、然者人数之事、随分ニ壱騎壱人成共可召寄、并鑓・小旗・馬鎧等致寄麗、此時一廉可嗜事、

一本着到 百九十三人也 此度四十四人不足 大藤

 本着到 七十四人也 此度三十五人不足 富嶋

 本着到 五十四也 此度二十八人不足 大谷

 本着到 八十壱人也 此度三十一人不足 多米

 本着到 六十人也 此度廿二人不足 荒川

 本着到 卅人也 此度七人不足 磯

 本着到 廿二人也 此度無不足 山田

 本着到不足之処、如何様ニも在郷被官迄駆集、着到之首尾可合事、

一備之内ニ、不着甲頭を裏武者、相似雑人、一向見苦候、向後者、馬上・歩者共、皮笠にても可為着事、

右、他国之軍勢参会、誠邂逅之儀候、及心程者、各可尽綺羅事、可為肝要者也、仍如件、

十月十一日

大藤式部丞殿

諸足軽

→神奈川県史「北条家朱印状」(小田原市立図書館所蔵文書)

 一、この度甲斐国の衆が越山のことが決まったので、今月中に必ず対談を遂げるように。それゆえに人数のことは最大限に1騎1人であっても招集し、同時に槍や小旗、馬鎧なども美しくすること。この時にひときわ努力すること。
 一、本着到で、定員193人の大藤は44人不足、74人の富嶋は35人不足、54人の大谷は28人不足、81人の多米は31人不足、60人の荒川は22人不足、30人の磯は7人不足、22人の山田は不足なし。本着到不足のところは、どのようにしても在郷の被官でも駆り集めて着到の員数を合わせるように。
 一、部隊の中に兜をかぶらない裏武者がいるが、雑兵にも似てとても見苦しい。今後は馬上・歩者ともに皮笠でもよいので着用するように。
 右のことは、他国の軍勢と参会し本当に邂逅することなので、思いつく限り各員美しくすることが肝要である。

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