註進状披見候、仍ぬた山へ備を上、敵働候処、致合戦、六人討捕、頸之註文到来、心地好候、打続如此走廻候事、忠節各無比類候、此度感状可遣候へ共、手前取乱間、爰元相静上、可褒美候、此趣各へ可申断候、此度候間、聊無ゝ沙汰、於走廻者、当城本意之上、何をも可引立候処、毛頭不可有偽候、将又敵陣へ目付遣様躰可申越候、謹言、
三月廿四日
氏政(花押)
大藤式部丞殿
追而、薬三種遣之候、敵川を越候者、早ゝ当口へ可移候、

→小田原市史 資料編477「北条氏政書状」

 戦果報告書を拝見しました。ぬた山へ陣を上げ、敵が出動したところを合戦し6人を討ち取りました。頸註文が来て、心地よく思います。連続して奔走しての忠節はそれぞれ比類のないことです。この度感状を出そうと思いましたが、身の回りが取り乱した状態なので、落ち着き次第、褒美を与えます。感状を停めていることはそれぞれにお断りしていることです。このような状況ですから、少しもたゆむことなく奔走することは、後北条氏の本意です。どのような者でも功績があれば引き立てるという約束は、毛頭偽りのあるものではありません。また敵陣へ偵察を送って様子を報告して下さい。
 追伸:薬3種を送ります。敵が川を越えたので速やかに当口へ移動して下さい。

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