沓掛・高大根・部田村之事
右、去六月福外在城以来、別令馳走之間、令還付之畢、前々売地等之事、今度一変之上者、只今不及其沙汰、可令所務之、并近藤右京亮相拘名職、自然彼者雖属味方、為本地之条、令散田一円可収務之、横根・大脇之事、是又数年令知行之上者、領掌不可有相違、弥可抽奉公者也、仍如件
天文十九
十二月朔日
治部大輔(花押)
丹羽隼人佐殿
→豊明市史「今川義元判物」(手鑑)
沓掛・高大根・部田村のことは、去る6月に福谷城に駐屯して以来特別に奔走してくれているので返還することとする。その以前に売った土地などのことは、今回情勢が一変した上は、現在はその沙汰(売買事実)は存在しない。これらの土地を所務するように。同時に、近藤右京亮が保持している名職は、なりゆきであの者が味方になったとしても、本地となっている以上は、散田(寄進先のない土地)一円を所務するように。横根と大脇のこと。これもまた数年知行していたものだから、領知は相違なく行なうように。いよいよ奉公に励むこと。