預御札候、厥以来者遠路故不申通候、仍不慮之仕合義元討死無是非次第、不可過候推察候、拙者儀者最前鉄鉋ニ当不相其仕場候、雖然至于只今存命失面目候、就中当屋形可有御音信之旨候、拙夫于今三州在陣之儀候条、帰国之上令披露、久遠寺江委細申入候、殊私分音信快然之至候、兼又久遠寺次目判形之儀、則可申調候、不可存疎意候、就中従方々報之儀、去比茂有子細不及其儀候、御心得奉頼候、恐惶謹言

八月十六日

朝比奈丹波守

    親徳

妙本寺

   参 尊報

→愛知県史 資料編11 「朝比奈親徳書状写」(安房妙本寺文書)

1560(永禄3)年に比定。

 お手紙届きました。それ以来は遠路でことさらご無沙汰しています。さて、不慮の合戦で義元が討ち死にしてしまいました。今となってはどうしようもないことです。お察し下さい。私はその前に鉄砲に当たり、そこに居合わせませんでした。とはいえ、生き長らえたことは面目もないことです。なかんずく今の屋形への贈り物ですが、今私は三河国に駐屯していますので、帰国後に披露します。久遠寺へ詳細を申し入れました。私の分の贈り物は特に嬉しい限りです。懸案の久遠寺継承者の決裁ですが、早速調整して、粗略にはしません。方々より根回ししましょう。先日は事情があって叶いませんでした。ご理解いただけますように。

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