珍札披見本望候、仍去年有太神宮御萱米料之儀被仰越間、雖斟酌申候、春木方達而被致候故、及披露、返事之旨申入候、遠州之義者、去年被申分候条、不及是非候、参州之事者領掌候、但三州手始令落之候、相残候国々之儀、同前ニ可被仰越候、将亦近日義元向尾州境目進発候、芳時分可被聞召合事専要候、就中私江御祓并砂糖二桶送給、目出存候、随而菱食令進入候、寔御音信迄候、猶重可申述候、恐々謹言、

三月廿日

氏純(花押)

作所三神主殿 御返報

→戦国遺文 今川氏編1504「関口氏純書状」(京都大学所蔵古文書集八)

永禄3年に比定。

 お手紙を拝見し、本望に思います。去年伺った太神宮本殿萱葺き用の徴税の件を仰せいただきましたので、検討をいたしましたが、春木太夫が断固として行なうそうなので、披露して、お返事することを申し入れます。遠江国のことは、去る年お申し出があったところなので、議論(是非)には及びません。三河国のことは了承しました。但し、三河国を手始めとしてこれを落とされるなら、残る国々のことも、同じように仰せになりますように。あるいは近日、今川義元が尾張国境に向かい進発します。よろしい折に話を進めるのが大切です。なかでも、私宛に御祓いと砂糖2桶をお送りくださったのは、めでたいことです。よって、ヒシクイを送らせていただきます。本当に用件のみです。さらに重ねて申し述べるでしょう。

[warning]2007(平成19)年の記事を改定[/warning]

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