相定法度、

糟屋之郷八幡御社頭、於左右前後、竹木不可剪、并馬不可繋候事、

喧嘩口論不可致候事、并殺生放火事、

出陣之砌、松山家中衆、別而如斯之法度、致覚語、以下之者共ニ、堅可申付候事、

右三ケ条、有違犯之輩者、以書付、都筑豊後守所へ可申来候、其断明白可申付候、仍如件、

天正九辛巳年五月十日

 能登守長則華押

別当法禅坊

→戦国遺文 後北条氏編2237「上田長則法度写」(新編相模国風土記稿大住郡三)

 あい定める法度。糟屋郷八幡の社頭、前後左右において、竹木を切ってはならない。並びに馬をつないでもならないこと。喧嘩・口論をしないこと。並びに殺生・放火も同様のこと。出陣の際に、松山家中の衆は特にこのような法度を覚悟して、配下の者に堅く指示するように。右の3箇条に違反した輩がいたら、書面にして都筑豊後守のところへ持ってくるように。明白に判断するよう申し付けています。

  祐福寺并寮舎

一濫妨狼籍并伐竹木、不可陳取之事

一兵粮米・津銭并諸課役、不可申懸之事

一不謂敵味方、越物已下不可改之事

一俵物等出入、不可相留之事

一寺中引得之田地等、不可有違乱之事

右条々、於末代不可有相違、若当年面々於令違犯者、可処厳科者也、仍而如件、

天文廿 辛亥 五月日

水野藤九郎

清近(花押影)

→愛知県史 資料編10「水野清近禁制写」(祐福寺文書)

清近は信近の誤写である可能性あり。

 祐福寺と寮舎について。一、武力行使と竹木の伐採、陣地構築が不可であること。一、兵糧米と港湾税、並びに諸々の徴発を指示するのは不可であること。一、敵味方を問わずの臨検は不可であること。一、俵物などの流通停止は不可であること。一、寺方が取得した田地などを乱してはならないこと。右の諸項目は、末代まで相違があってはならない。もし味方で違反した者があれば、厳しく罰する。
1.6:100:260:0:0:清近と信近_草書比較:left:1:1:青柳衡山草書フォントを利用:0: