今度於山中、父右兵衛大夫、本城暫相拘、竭粉骨走廻、遂討死候、最前代未聞之仕合、無比類候、仍名跡之事、知行・同心・被官已下、於何事不相替可令相続候、父御用立候上者、別而引立可召仕候、仍如件、

天正十八[庚寅] 卯月十七日

 判

松田助六郎殿

→小田原市史 小田原北条2 2061「北条氏直判物写」(記録御用所古文書九)

 この度山中において、父右兵衛大夫が、本城をしばらく保持して粉骨を尽くして活躍し討ち死にを遂げました。前代未聞の偉業で比類がありません。よって名跡のこと、知行・同心・被官以下何事も変更なく相続して下さい。父が功績を挙げたので、格別に引き立てて召し使うでしょう。

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