就今度錯乱、山中筋無別条走回之段、喜悦之至也、然間為其賞、遠州森之内大田郷百疋之所、為新知行宛行也、雖有競望之族、依今度忠節出置上者、一切不可許容、守此旨弥可抽忠功者也、仍如件、

永禄十二[己巳] 二月廿六日

 氏真判

鱸尉殿

→戦国遺文 今川氏編2286「今川氏真判物写」(東京大学史料編纂所架蔵阿波国古文書四所収鈴木勝太郎所持文書)

 この度の錯乱で、山中筋で別状なく活躍した段、喜悦の至りである。ということなのでその恩賞として、遠江国森のうち大田郷100疋の地所を、新知行として宛て行なう。競望のやからがあったとしても、この度の忠節によって拠出したものである上は、一切許容しない。この旨を守りますます忠功にぬきんでるように。

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