今度不慮之儀不及非是候、雖然、当城ヘ御移被成、御供衆■■衆数多被楯籠候、御兵粮其外てつ放・玉薬・御矢以下五三年之間不足有、為物主可打入之由候、御本意程有間敷候、就中、当城堅固ニ被拘由、毎度之御忠節候、畢境此時候条、可被尽御粉骨事専一候、御書被成候間、弥御忠節専一候、各満足此事候、御領中方之儀者、如御所望可申調候、恐々謹言、
十二月甘一日
朝備 泰朝
大左
金遊 芳線
中彦 参御報
朝下 親孝
→戦国遺文 今川氏編2214「朝比奈泰朝等連署状写」(大沢文書)
永禄11年に比定。
この度の不慮のこと、どうしようもありません。とはいえ、当城へお移りになられ、お供衆(旗本?)衆が多数籠城しています。ご兵糧その他、鉄砲・弾薬・御矢以下数年の間は不足はありません。物主として出撃なさるだろうとのこと。御本意を達するのに時間はかかりません。とりわけ、当城を堅固に守備なさっているとのこと、いつものご忠節、つまるところこの時ですから、ご粉骨を尽くされることが専一です。御書状を成されましたから、ますます忠節が専一です。各々の満足はこの事です。ご領中の所領は、お望みのままにご用意しましょう。