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足利義氏、佐竹氏の攻撃を退けたと洗心斎に伝える

今般佐竹義重向于当表動候処、中務太輔入性節ゝ言上、感悦之至候、当城両三度動、宿城雖取懸候、堅固防戦故、無指儀候て、卯刻令退散候、定可為満足候、殊更昨日其地之相動候処、堅固之備故、早ゝ引染候、肝要御大慶候、此度之模様一ゝ氏政・氏直へ申遣候、心安可被存候、かしく、

十月廿九日

義氏

洗心斎

→神奈川県史 資料編3「足利義氏書状写」(集古文書七十四)

1580(天正8)年に比定。洗心斎は梁田晴助か。

 この度、佐竹義重がこちらの方面に出撃したところ、中務大輔が性を入れて切々と言上しました。感悦の至りです。この城が3度攻められ『宿城』に攻撃されたとはいえ、堅固に防戦したので、(敵は)得るところなくて卯刻(06時)に退散しました。きっと満足でしょう。特に昨日はその地へ攻撃がありましたが、堅固な備えで早々に引き上げました。肝要であり喜ばしいことです。この度の模様は逐一氏政・氏直へ申し伝えていますからご安心なさって下さい。

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