雖未通候、令啓達候、抑両太神宮御仮殿朽損以外候、然間、六角殿江依懇望、内宮御仮殿造替候、就先年両太神宮遷御前儀、外宮可為先之由、公武御教書厳重候、其謂内宮江相届之処、彼造宮延引候、外宮造営料難調候、此節以御神忠、致成御造営者、弥御家繁栄可為貴代規模候、此由可得御意候、恐々謹言、

五月十一日 備彦

謹上 織田弾正忠殿 御宿所

→愛知県史 資料編10「外宮一禰宜度会備彦書状写」(外宮天文引付)

1540(天文9)年に比定。

 これまでご挨拶しておりませんでしたが、ご連絡申し上げます。そもそも両太神宮の御仮殿汚れ・破損はもってのほかです。という状況で、六角殿へ懇望して内宮は御仮殿の造り替えを行ないます。前回の両太神宮遷御の礼から、外宮が先に行なうべきであると、公武の御教書で厳重に決められております。そのことは内宮へ届けられ、そちらの改築も延期されております。外宮の造営料調達が難航しておりますので、この機会に神への忠義を果たし造営なさるならば、ますます御家が反映しあなたの代で規模をなすでしょう。このことで御意を得られますように。

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