(前欠)自西云、又対公儀忠儀、何事歟可過之候、能ゝ致塩味、何様ニも人衆之嗜専肝候、武具等致様、委細ニ書記畢、各少も無異議可致之候、抑軍法者、国家安危所也、就背法度者、随罪科之軽重、無用捨可申出条、兼而無誤様ニ致覚悟、可申付候、畢竟大藤前ニ可有之間、時ゝ刻ゝ寄子ニ者令助成、掟相違可申付事、可為忠信候、仍所定如件、

元亀二年 辛未

十一月六日

氏政(花押)

大藤式部丞殿

→小田原市史 「北条氏政判物写」(大藤文書)

 (前欠)西からと言う。また公儀に対しての忠義は、どのようなことであってもこれを超えないでしょう。よくよく考慮して、どのようにしてでも軍勢を揃えることが大切です。武具なども用意して、詳しく書類にまとめておくように。それぞれ少しの反対もなく行なうように。そもそも軍法とは国家の安危を司るものです。法度に背く者があれば罪状に応じて容赦なく申し出るよう、兼ねてより誤らないように覚悟を決めておくよう申し付けておきます。つまるところ大藤が統制すべきことなので、時々刻々寄子には手助けをして、掟に相違がないよう申しつけること。これは忠信となります。

岡本氏着到状の文言とほぼ一致するので、本来は大藤氏着到状であった可能性が高い。

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