[懸紙ウハ書]「西郷監物丞殿 氏真」

去廿一日於懸河天王小路一戦之刻、一番ニ入鑓、敵数多鑓付仕場居衝崩、其上蒙鑓手、無比類働甚以感悦也、弥可抽戦功之状如件、

永禄十二年 正月廿八日

 氏真(花押影)

西郷監物丞殿

→戦国遺文 今川氏編2266「今川氏真感状写」(東京大学史料編纂所架蔵諸家文書所収西郷木工所蔵文書)

 去る21日、掛川の天王小路で一戦した際に、一番に槍を入れ、敵多数に槍をつけて『仕場居』を突き崩し、その上槍で負傷した。比類ない働きは本当に感悦である。ますます戦功にぬきんでるように。

去廿日岡崎衆相働、天王寺江取詰、遂一戦処、無比類走廻候段、太以神妙也、本意之上急度可加扶助等、此間弥可抽戦忠状如件、

永禄十二年正月廿六日

 今川氏真判

安藤九右衛門とのへ、

→戦国遺文 今川氏編2263「今川氏真感状写」(金沢市立玉川図書館所蔵古状集)

 去る20日に岡崎衆が出動、天王寺へ取り詰めて一戦を遂げたところ、比類なく活躍しました。大いに神妙である。本意の上は取り急ぎ扶助などを加えるだろう。この間もますます戦忠にぬきんでるように。