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カテゴリー «用語»

手前

近世(江戸時代)のドラマで現代人はよく知っているかも知れない。任侠で仁義を切る台詞に「手前、生国は相模でござんす……」というものがある。また、商人が自称として「手前ども」という。 では、具体的に戦国期の人々は「手前」をど …

懇望・悃望

懇望・悃望の用例についてまとめた。なお、懇望と関係が深い『赦免』は、検証a18:刈谷赦免についてでまとめているのでご参照を。 a 懇望された側が明記された場合 a-1 斯波義達から上杉顕定へ 就遠州之儀、従屋形管領へ依懇 …

隙入

北条氏政、酒井伯耆守に、榎本参陣を褒め防戦を指示するの中で 今度当表隙入ニ付而、榎本ニ以三百之人数在陣可走廻由 という表現がある。「隙入」を当初「すきいる」=「隙を狙って入り込む」のように漠然と解釈していたが、以下の語義 …

一両人

現代語では『一両日』というと1~2日となる。一(1)から両(2)とするためだ。では戦国期はどうか。アップした文書から検索すると4例が挙がった。 01)用所之義、町人一両人被相加、厳密ニ可致候 必要なことは、町人『一両人』 …

用所

「用所」の例を挙げてみる。 01)世間只今之義相替候間、用所不成事候 世間の現在の状況は変わってしまったので、『用所』もならないことです。 02)過半小田原之川へ引上而置、用所次第可乗出候 大半を小田原の川へ引き上げて配 …

我等・我々・彼等・彼者

現代語と異なり、古文書の『我等』は単数の一人称「私」を表わす。 石田三成が「於我等満足此事候」と言った時、満足したのは三成自身のみである。現代語に釣られてついつい「われら=私達」と読みがちになる。 もう1つ「我々」という …

無沙汰

無沙汰とは沙汰がないことを指すが、具体的には以下の事例のように使われている。義務を果たさないというニュアンスが最も強く、社会的な状況から徴発の無視・サボタージュの例が多いようだ。 外交に関わるもの 万乙景虎可存無沙汰覚悟 …

然而 補記

明智光秀書状写 に「然而」があるが、引用元の『証言 本能寺の変』でこれを逆説としている。当サイトの用語解説然而で、逆接の用法は辞書に見られるのみで掲出文書に見られないことから、その存在に疑義を呈していた。よい機会なので藤 …

証文をなくすということ

検証a03で、沓掛城で証文を失った案件を取り上げたが、その他のものと比較を行なって、それがどの程度異例だったのかを考えてみたい。 彼地一円為不入免許之旨先印判雖有之、去年五月十九日合戦之砌、於沓掛令失却之旨申候条、任其儀 …