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カテゴリー «用語»

急度

 読み方は「きっと」で確定しているものの、現代語とは異なり「必ずや」というよりは、「速やかに」の意味があるように思われる。以下、文書を確認する。 1 文頭に存在し「取り急ぎ」といった意図で使われているであろうもの 急度以 …

然而

 「然」「而」は、それぞれ前の状態を継続する語義を持っている。ところが、『古文書古記録語辞典』で「然而」の項には不自然な解説が見受けられる。 然而 しかれども されど、しかしながら。  ここに書かれた逆接の意味は、少なく …

雑説・錯乱・逆心

 『雑説(ぞうせつ)』は、「取り留めのない噂」というのが本来の意味。ただし、世情を反映して戦国期の例だと「不穏な噂・騒動」という扱いが多い。  『錯乱』は雑説が更に進展して、誰の目にも騒ぎになっている状態を指すことが多い …

取合・取相

 極端に異なる意味を持つ、扱いが難しい言葉。「紛争する」と「仲介する」という両方の意味が、ここにアップした文書内で出てくる。「紛争する」という場合は「取り合う」、「仲介する」という場合は「執り成す」として現代語につながる …

役と職

 中世の文書によく出てくるのが、「役」(やく)と「職」(しき)だ。この二つは現代語でもよく使われるが、意味が異なるので注意が必要となる。ここでは戦国時代を中心にこの二つの使われ方を紹介する。 役  領主から賦課される、税 …

一字拝領・偏諱・通字

 よく言われるのが「歴史上の人名は似たり寄ったりで覚えられない」。確かに、似ている名前が多い。上で挙げたように、父子で同じパーツを代々受け継ぐパターンもあるから。  このほか、名前を似たものにする要素として、偏諱(へんき …

武士の名乗り

 武士の名前は結構複雑だ。今川氏親を例にとって見ていこう。  まず、彼が6歳で父親を失った際に登場する名前は童名。 童名 → 龍王丸  『丸』は童名でよく使われるが、これは省略されることもある。  そして元服という成人式 …