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北条氏政、徳川家康に、婚姻の成立を祝し氏直の出馬を約す

先段以飛脚如申述候、此度御輿入成就、誠大慶満足、何事歟可過之候哉、爰元之様子、為可洩堅聞、以川尻下野守申候、委細令附與彼口上候、就中当秋行之儀、御輿之儀ニ付而令延引候、此上者、三日之内氏直可致出馬由候、愚拙事者、爰元為仕置候間、令在留候、猶期後音之時候、恐ゝ謹言、

八月十七日

 氏政(花押)

徳川殿 人ゝ御中

→戦国遺文 後北条氏編2564「北条氏政書状写」(名将之消息録)

天正11年に比定。

 先に飛脚にて申し述べました通り、この度のお輿入れの成就、誠に大慶満足、何事がこれに優りましょうか。こちらの様子を堅く聞き漏らすべくように、川尻下野守によって申します。詳細は彼の口上に付与させます。とりわけ秋の作戦のこと、お輿入れの件から延引させていただきます。この上は、3日以内に氏直が出馬するとのことです。愚拙はこちらで仕置きをしますので、留まらせていただきます。また後ほどご連絡します。

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